2018.8.16
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税金

仮想通貨にかかる税金の仕組み ~利益の計算の仕方から節税方法まで~

(写真=Yevhen Vitte/Shutterstock.com)
(写真=Yevhen Vitte/Shutterstock.com)
近年、テレビをはじめとする各種メディアを賑わせた仮想通貨。2017年に入って以降、大きな乱高下を見せました。大変な損失を被った人もいる傍らで、思わぬ大きな利益を上げた方もいるのではないでしょうか。中には「税金が大変そう…」と心配しつつも「税金の計算のやり方も節税の仕方も分からない」「そもそも何をすればいいのか分からない」という方もいるはずです。

実際、「億り人」と呼ばれるほどに利益を上げた仮想通貨長者の中には、その年で儲けの大半を使ってしまい、翌年、国税庁から指摘を受けててんてこ舞いになった人も存在します。そこで本稿では、仮想通貨の税金の計算方法や節税方法についてお伝えいたします。

仮想通貨の取引で確定申告すべき人とは


仮想通貨では20万円以上の儲けが出た場合、確定申告が必要になります。確定申告とは、毎年1月~12月までの1年間で得たすべての所得を計算し、国に支払う税金を申告・納税する手続きのことです。この確定申告が必要になる人の条件はさまざまですが、仮想通貨を所有している人に限って言えば、申告が必要な対象者は次の条件に当てはまる人です。

・給与収入が1ヵ所で、副業の所得が20万円を超える人

ここでいう仮想通貨の所得が20万円を超える人とは、どのような人を指すのか示します。

①仮想通貨を売却して利益が出た場合
1コイン10万円のコインを3コイン購入して、1コイン20万円になった時に、取得済の3コインすべてを売却(売却額60万円)した場合は、次のような計算で利益を出します。

60万円(売却額)-10万円(1コインの取得価額)×3コイン(コインの売却枚数)=30万円

この売却時点で利益計算を行うので、「○○円で購入したコインを、××円で売却した」という情報を記録し、翌年3月15日までに提出する所得税の確定申告書に記載します。

②仮想通貨を他の仮想通貨に交換した場合
1コイン10万円のAコインを3コイン購入し、そのAコインを使って時価1コイン20万円のBコインを2枚購入した場合、次のように利益の計算をします。

20万円(Bコインの1枚当たりの時価)×2コイン(Bコインの取得枚数)-10万円(Aコインの1枚 当たりの取得価額)×3コイン(Aコインの交換枚数)=10万円

ここの注意点に、仮想通貨から他の仮想通貨に交換した場合でも利益となる点が挙げられます。仮想通貨は売却しなくても交換した時点で利益を出したと判断されます。つまり日本円に戻さなくても、仮想通貨同士の売買で利益があったら、確定申告が必要となるのです。

③仮想通貨を購入して高騰したが持ち続けた場合
1コイン10万円のコインを3コイン購入し、その後1コイン20万円になったが、まだコインの価格が上昇すると期待して売却せず、12月31日を迎えた。この場合は所得税がかかりません。利益が実現していないからです。単に仮想通貨を保有している状態では、確定申告する必要はなく、課税対象とはなりません。

④仮想通貨を購入した年と、仮想通貨を売却した年が異なる場合
2016年に1コイン10万円のコインを3コイン購入し、それが2018年に1コイン20万円になったので3コインすべてを売却した場合、利益は30万円です。この30万円にかかる所得税を、翌年2019年の3月15日(確定申告の提出期限)までに、確定申告しなければなりません。つまり、仮想通貨の損益は、いつ取得したとしても、取得金額と売却金額を比較して計算します。

税金の計算方法

所得税の計算上、仮想通貨の取引で生じた利益は「雑所得」に該当します。雑所得は、給与所得など他の所得と合算し、その総所得金額によって納める税額を計算する総合課税が適用されます。そして所得金額の高い人ほど、より高い税金を納める累進課税制度です。なお、所得税率は5%~45%の7段階に区分されています。また、住民税も総所得金額に10%課税されます。つまり、仮想通貨で少しだけ利益が出た人は15%の税金(5%の所得税と10%の住民税)が課され、大きく利益を出した人は、最大で55%の税金(45%の所得税と10%の住民税)が課されることになります。

節税方法はふたつ

①経費をたくさん計上する
仮想通貨にかかる税金は売却益で決まります。売却益を少なくするために、その仮想通貨の取得する際にかかった手数料などを把握して、利益を圧縮します。手数料とすることに問題がないもの(取得価額と考えるもの)には、セミナー費用、仮想通貨を学習するための本、取引所での売却手数料などがあります。これらを売却時に費用として計上し、売却益を圧縮します。

②売却益を20万円未満に
売却を複数年に分散し、売却益を20万円未満にするか、利益が出ている仮想通貨の売却と損が出ている仮想通貨の売却を同時に行い、利益の金額を20万円未満にする方法です。確定申告の対象外とすれば、節税が可能です。ただ、仮想通貨を円に換えるタイミングが少なくなるので、手元の資金が潤沢でないとなかなかできません。

さて、今回は仮想通貨の税金について調べてみました。仮想通貨で思わぬ利益を得てしまった方は、「利益が20万円超かどうか」「経費にできるものがいくらあるのか」「損が出ている仮想通貨はないか」という3点を確認してください。この3点からどうするのかを判断し、確定申告に備えましょう。
 

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