2018.7.11
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税金

知ってるようで知らない!? サラリーマンのマンション経営と確定申告

(写真=Prostock-studio/Shutterstock.com)
(写真=Prostock-studio/Shutterstock.com)
今さらですが、「所得税」とはどんな税金かご存知でしょうか。所得税とは、1年間に稼いだ収入から、それに要した経費を差し引いた「利益」にかかる税金です。所得税は申告制となっており、原則は、自分自身で収入、経費、課税額を算出して所得税を納付します。そして、この所得税を決める一連の行為を「確定申告」といいます。では、マンション経営で確定申告は必要でしょうか。本稿では、サラリーマンがマンション経営をする際の確定申告について解説します。

意外に知られていない確定申告

毎年、確定申告を行っている人はあまり多くありません。特にサラリ―マンをはじめとする、組織に雇用されている人は、全体の10%しか、確定申告を行っていません。なぜなら、サラリーマンの所得税は給与を支払った側がまとめて申告する「年末調整」と、所得税の納付に備えて給料から一定額を天引きする「源泉徴収」が行われているからです。

しかし、それらはあくまでも会社で働いたお給料から引かれるお金です。マンション経営で利益が出たのであれば、自分で確定申告を行う必要があります。給与収入にマンションなどからの家賃収入が加わったサラリーマンであれば、申告の制度や仕組みを知っておくことはいざというときの助けになります。

まずは年末調整の仕組みから学んでみましょう。

年末調整の仕組みと目的

年末が近づくと、サラリーマンには会社から保険料控除や扶養・配偶者控除の申告書が回り始めます。これに所定の要件を記入して会社に提出すると、しばらくして源泉徴収票と住民税額の決定通知書が届きます。本人はこれで税金に関わる事務が終わってしまいますが、会社はどのように社員の税金を処理しているのでしょうか。

1年間の所得が給与所得しかない人は、所得税の金額が比較的シンプルなので、会社が大部分を代行してくれます。会社側は従業員に支払った給与を把握しており、給与支払いの際に所得税に充てるための金額を天引きしています。最終的には、1年間支払った給料の合計額(年収)から給与所得控除(前述の扶養控除・配偶者控除・生命保険料控除のほか社会保険料控除など)を差し引きます。次いで残った所得に対して、一定の所得控除を差し引き、残った金額に対して所得税が課税されます。

年収-給与所得控除=所得
(所得-所得控除)✕税率=所得税

自治体は税務署からこの情報を得て、住民税の金額を決定しているというのが年末調整の仕組みです。

確定申告が必要になるケース(確定申告の方法と無申告の場合について)

年末調整は万能ではなく、限られた所得控除しか控除対象にできません。例えば、盗難などの犯罪被害の控除(雑損控除)や医療控除に寄付金控除は、プライベートな情報を含みすぎるとして、会社の年末調整では対応できませんし、住宅ローン控除を受ける場合も、初年度は確定申告が必要となります。

これ以外の主なケースとして、以下の場合は確定申告が必要です。

1、給与所得の年収が2,000万円以上となる場合
2、給与所得以外の所得が20万円を超える場合(20万円ルール)
3、2ヵ所から雇われて給与を受け取った場合

確定申告が必要にも関わらず、申告を行わなかった場合は、その悪質さの程度によっては、重加算税や無申告加算税などの罰則が課されます。

確定申告の20万円ルールについて

マンション経営で得られる家賃収入は、上記②が該当します。ここで20万円以上の「所得」という点に注目してください。所得税法上は10種類の所得が規定されており、どういった手段でお金を稼いだかが重要になります。マンション経営における収入は、この10種類の所得のうちの「不動産所得」に分類されます。そして、この20万円ルールは、あくまでも他の所得との合計が20万円を超えるか否かになります。例えば、仮想通貨の売買益なども所得として合算する必要があります。

そして、所得とは、冒頭にも述べたとおり、収入からその収入を得るのに要した経費を差し引いた後に残るお金のことです。マンション経営に関する経費としては、マンションの管理費や修繕積立金、賃貸管理委託費、マンションの定額法による減価償却などが該当します。

なお、マンション経営では、経費として含めることのできない費用もありますのでご注意ください。例えば、ローン返済の元金部分は経費にできません。

不動産所得の損益通算

マンション経営では、確定申告を行うことで「不動産所得の損益通算」というメリットが得られます。これは不動産所得の赤字を、給与所得や事業所得などで埋め合わせできるという制度です。これにより、給与所得などで支払った所得税を取り戻すことができ、また住民税を減税することができます。

さて、マンション経営に関わる収入は不動産所得に該当し、確定申告を行う必要があります。ただしサラリーマンとして給与所得しか得ていない場合は、不動産所得額が合計で20万円以下ならば確定申告は不要です。自分自身の収入を明らかにして適切な税金を支払う「確定申告」は、納税者の義務ですが、権利でもあります。税金は支出の中でも大きなウェイトを占めています。「知らないから」と恐れてばかりいるのではなく、自ら積極的に関わり、納税意識と同時に節税意識を持つことが大切です。

 

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