2019.1.25
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不動産投資

マンション経営は利回りよりも将来価値で見極める

(写真=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)
(写真=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)
マンション経営を検討する際、どれくらい利益が見込めるかを示す「利回り」に目がとらわれがちです。実際、投資用マンションの広告に目を向けると、物件の利回りを強調しているものも少なくありません。しかし、マンション経営を始めた人の中には、数字に惑わされて高利回りの物件に飛びつき、結局、失敗してしまうケースも見受けられます。では、利回りだけに頼らないマンション経営の方法はあるのでしょうか。今回は、マンション経営における良質物件の見極め方について考えてみます。

表面利回りと実質利回り

物件を探す際、多くの人がまず利回りに目を向けることでしょう。基礎知識として利回りには2種類あります。いわゆる物件情報などで、しばしば掲載されているものが「表面利回り」です。これは、1年間、満室で稼働した場合、物件購入価格に対して何%の収入が得られるかを示しています。

分かりやすい例で計算してみましょう。2,700万円の物件で、1ヵ月の家賃が9万4,000円。年間にすると112万8,000円の家賃収入があるとした場合、その「表面利回り」は9万4,000円×12ヵ月÷2,700万円=約4.2%となります。

一方、もうひとつの利回りは、実質利回りと呼ばれるものです。家賃収入から経費(管理費や修繕積立金など)や税金を差し引いた金額を、物件の購入金額で割ったものです。

上述した表面利回り4.2%の物件で、実際に管理費や修繕積立金が年間14万円。家賃収入は112万8,000円ですので、実質利回りは(112万8,000円-14万円)÷2,700万円=約3.7%となります。

利回りの落とし穴

利回りは、あくまで、年間を通じて満室であることを前提に計算された数字です。しかし、実際の不動産経営ではなかなかそうはいきません。入居者は入れ替わり、退去後すぐに空室が埋まるとも限らないのです。

高利回りを謳う物件には、実際の入居率が非常に低いものもあります。満室を前提とした仮の数字ですから、実際の入居率や家賃収入から乖離しているケースもあるのです。目先の利回りに目がくらみ、もしそんな物件を買ってしまったら、満室にするためには、多大な手間と費用が生じるおそれもあるため注意しましょう。

キャッシュフローはどう考える?

マンション経営は常に長期的な視点に立つことが望まれます。事業ではもちろん現金の流れについて考えることはとても大切です。しかし、マンション経営の場合、短期的な利益を追求するのではなく、あくまでも長期で運用することで大きな実りを得ることを念頭に置く必要があります。株やFXであれば短期でハイリスク・ハイリターンを前提として、キャピタルゲインを目的に運用することが多いでしょう。しかし、不動産投資はその手の投資とは異なります。月々の家賃収入という名のインカムゲインを継続的に得ることで安定した運用を目指すことが目的となります。

同様にローンについても長期的な考えを持つことが不可欠です。一回あたりの返済額を大きくして短期で完済することをもくろむのではなく、ローンの返済期間を長くすることで月々の返済額を下げ、その分のほとんどを家賃収入で賄うようにバランスを取ることが大切です。なぜなら、それによって投下資金を抑えたマンション経営をすることが目的となるためです。

マンション経営において、短期的にキャッシュフローを充実させたいと考えると、途端にリスクが大きくなります。その理由は、短期で多額のローンを返済しなければならないためです。またローンに充てる家賃収入への考え方もより厳密になり、本来であれば最初から想定してしかるべき、引っ越しシーズンでの暫定的な空室リスクなどにもピリピリしがちになります。短期でのローン返済はあまりおすすめできないのです。

マンション経営におけるキャッシュフローは、たとえば35年間、ローンのほとんどの返済に家賃収入を充てることで、毎月1万円程度をコツコツと返済し続ける。そして定年退職の時期に併せてローンを完済し、そこから先は、家賃収入を充実したキャッシュフローとして悠々自適の生活に充てる。このような長期的な視野を持つことが大切だといえるでしょう。

マンション経営は将来価値で見極める

マンション経営において、最も重要視するべき指標。それは「将来価値」という判断基準です。マンションという資産を購入するにあたり、ほとんどの方が、金融機関から長期にわたって借入をします。そしてこのローンは一度に返済をするわけではないため、良質な物件の購入というレバレッジを効かせたまま、安定感のある長期的なマンション経営を可能とします。

借入金の完済後、マンションという資産があなたの手元に残ります。この資産は私的年金の代わりとなり、ゆとりある老後の生活を支えてくれる礎となるでしょう。また将来的に物価が上昇する場合、預金の価値はインフレに合わせて目減りしますが、現物資産としての不動産を保持することで、これらの物価の上昇に合わせた対策を取ることもできるようになります。

この「含み益」は、他の金融商品と不動産のまったく異なる点であり、マンション経営の優れたところだといえます。価値ある物件を購入できれば、マンション経営を始めた方の将来の資産は大きく増えることになるでしょう。利回りが低いことは悪い話ではありません。むしろ利回りが低くなっている今こそ、投資対象物件の「将来価値」を見抜くことで、大きく資産を増やせるチャンスだともいえるはずです。
 

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