2018.10.19
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不動産投資

マンション経営で相続税の節税対策をするメリットとデメリット

(写真=Supavadee butradee/Shutterstock.com)
(写真=Supavadee butradee/Shutterstock.com)
財産を持っている方なら誰しも、配偶者や子供たちにかかる相続税の負担を、軽くしてあげたいと考えるでしょう。相続税対策にはいくつか方法がありますが、マンション経営もそのひとつです。今回はマンション経営による相続税対策についてご説明します。

相続税とマンション経営について

マンション経営による相続税対策を理解するには、まず「相続税」「マンション経営」に関する基礎知識が必要です。

相続税とは、財産を相続するときに支払わなければならない税金です。亡くなった人のことを被相続人、相続する人のことを相続人といい、相続税は相続人が納めます。相続税は、相続する財産が大きくなければ発生しません。例えば、相続人が1人の場合、相続財産が3,600万円未満であれば、相続税を支払う必要はありません。税務署に申告する必要もありません。相続人が2人の場合は、2人が相続する額の合計が、4,200万円未満であれば、相続税を支払う必要はありません。3人なら4,800万円、4人なら5,400万円などとなっています。
上記にあげた3,600万円や4,200万円のことを「基礎控除額」といいます。基礎控除額は「3,000万円+600万円×相続人の数」で算出します。

続いて相続税額の計算方法です。

相続税額=(相続する全財産額-基礎控除額)×税率
税率は10%から55%まで幅広く設定されています。相続額(全財産額)が大きいほど税率が高くなります。相続する全財産には、現金や株式、不動産のようなプラスの財産だけでなく、借金や買掛金などのマイナスの財産も含まれます。上記の計算式にある全財産額とは、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた額になります。

マンション経営は、「投資目的で」不動産を購入し、不動産から得られる賃貸料や、不動産を売却した時の売却益で儲ける投資手法です。そのため、自宅用にマンションを買ったり、経営する会社の社屋を建てるために土地を買ったりすることはマンション経営にはなりません。ただ、その線引きはあまり厳密ではなく、自宅用にマンションを買い、その数年後、新しいマンションに引っ越すために住んでいたマンションを売却したところ購入時より高く売れたとしたら、「思いがけずマンション経営で利益を得た」ことになります。

マンション経営がなぜ相続税の節税対策になるのか

さて、被相続人が生前にマンション経営をすると、どうして自分が亡くなったときの相続税が節税できるのでしょうか。一番わかりやすい理由をあげると、「購入した土地や建物の購入価格と、相続財産としての価格に差が生じる」からです。

例えば、1億円の現金を持っている人が亡くなった場合、相続財産は1億円になります。この場合、相続税は「(1億円-基礎控除)×税率」になります。しかし、この人が生前に1億円で土地と建物を購入してその後亡くなった場合、その土地と建物は、相続財産としては1億円にはなりません。仮に5,000万円の価値しかないとなったら、相続税は「(5,000万円-基礎控除)×税率」になります。だから相続税は安くなります。

なぜ1億円で買った土地や建物は、購入価格よりも安い価格で評価されるのでしょうか?

相続税を計算する時の建物の評価額は、「固定資産税評価額」というものを使います。固定資産税評価額は、国の固定資産評価基準に従って市区町村で決められます。この固定資産税評価額は、一般的に建築費用の50~60%になります。例えば3,000万円の住宅を建てたら、固定資産税評価額は1,500万~1,800万円になります。この住宅を相続した場合、相続税を計算する際には、3,000万円ではなく、1,500万~1,800万円になるため、結果的に節税できます。

また、土地については、相続税を計算する際、市街地の場合は「路線価」で算出します。路線価は公示地価の8割ほどに設定されます。また、公示地価は一般的に、実際に土地を売買するときの価格に近いとされています。かなり簡単な表現になりますが、「路線価は実際の土地価格よりも2割ほど安い」というわけです。当然、「路線価×税率」で算出される相続税も、実際の購入価格で計算するよりも安くなるわけです。

以上が、マンション経営による相続税対策のメカニズムです。

マンション経営で失敗するリスクも

相続税対策の面からみると、非常に魅力的なマンション経営ですが、注意しなければならないこともあります。マンション経営は言うまでもなく「投資」です。投資には成功もあれば失敗もあります。もし相続後に不動産価格が大きく下がったり、賃貸経営に失敗したりすれば、せっかくの相続税の節税効果は相殺されてしまいます。これでは意味がありません。相続税を少なくすることばかりを考えるのではなく、総合的な判断が求められます。

不動産による相続税対策は、昨今は一般的な節税対策として比較的よく認知されています。土地や建物の価格推移は、株価の推移よりもはるかに推測しやすく、また、激しく乱高下することもありません。現金をお持ちの方は、将来を見据えて、資産を守るためのマンション経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。ただ、本文中で述べた通り、節税目的であっても投資には違いありません。マンション経営にあたっては、不動産会社や専門家にきちんと相談しながら臨むことをおすすめします。

 

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