2020.5.8
/
不動産投資

マンション経営において、ローンを繰上返済するべきか否か

(画像=mofaez/Shutterstock.com)
(画像=mofaez/Shutterstock.com)
マンション経営においては、毎月の家賃収入によってローン返済の一定割合をまかなうのが普通です。しかし、将来のことを考えると、なるべく早くローンを返したくなるのも心情です。マンション経営において、繰上返済をするべきなのかどうか、判断のポイントを考えてみます。

繰上返済の種類と効果

ローンの繰上返済には、その全額を返済する方法と、一部の元金だけを返済する方法があります。ここでは一部の元金だけを返済する「一部繰上返済」の効果について考えます。一部繰上返済には、下記の2種類があります。
  • 期間短縮型
  • 返済額軽減型
期間短縮型は、繰上後の返済期間を短くする方式です。一方、返済額軽減型は、返済期間はそのままに毎月のローン返済額の負担を減らす方式です。

同じ額を繰上返済したとしても、それぞれの方式によって効果が異なります。たとえば、借入額1,800万円・金利2%・返済期間30年のローンを、3年後に100万円を一部繰上返済したとして、2つの方式の効果を比べてみましょう。

当初の借入額

借入額:2,000万円、金利:2%・元利均等返済、返済期間:30年
毎月の返済額:73,923円

繰上返済前(3年0カ月目)の状況

元金残高:18,495,317円
残り返済期間:27年0カ月

一部繰上返済の結果

3年0カ月後に、100万円を一部繰上返済したら
 
  「期間短縮型」の場合 「返済額軽減型」の場合
毎月返済額
残り返済期間
減少する利息額
73,923円(変化なし)
25年2カ月(短縮される)
681,540円(大きい)
69,917円(減少)
27年0カ月(変化なし)
294,042円(小さい)

上記のように、期間短縮型では、残りの返済期間が27年から25年2カ月に短縮されました。その結果、総返済額は約68万円減少することになりました。一方、返済額軽減型では、毎月の返済額が約7.4万円から約7万円に減ることになりました。その結果、総返済額は約29万円減少することになりました。

このように、同じ金額を一部繰上返済した時、期間短縮型を選んだ場合には、返済期間が短くなり、総返済額を大きく減らすことができるというメリットがあります。返済期間が短ければ、それだけ金利上昇リスクにさらされる心配もなくなるので、精神的な負担を軽減できるというメリットも生じるでしょう。

返済額軽減型ならキャッシュフローを生む効果も

一方、返済額軽減型を選んだ場合には、毎月の返済負担を減らせるというメリットがあります。毎月の返済額が少なくなるということは、その分だけ収入が増えることを意味します。家賃収入が一定額で変わらないとするならば、一部繰上返済によりキャッシュフローが改善されることで、現金がより早く貯まるようになるわけです。

手持ち資金に余裕がある際は繰上返済にあてるのも一つの手です。
繰上返済はトータルでのコストを抑える方法として効果的ですが、無理のない範囲で行うことが大切です。

生命保険機能を享受するなら繰上返済は不要

一部繰上返済のデメリットといえるのが、団体信用生命保険(団信)の効果を減少させてしまうことです。賃貸物件用のローンを組む場合、通常は団信に加入することが多いでしょう。団信は一般的な生命保険と比べて、割安な保険料で手厚い保障が得られる商品と言えます。

一部繰上返済をするということは、この有利な団信の効果を低減させてしてしまうことを意味します。いつ何時、自分の身に万が一のことが起こらないとも限りません。もしもの時に、家族のためにより多くの資産を残すことを考えるなら、繰上返済をせずに現金を温存しておく方が得策といえます。

マンション経営の方針や状況によって判断を

たとえば今後も事業拡大を進めていこうとしているなら、貯まった現金を繰上返済に使うのではなく、次の物件購入の頭金に充てる方が賢明な選択といえるでしょう。逆に、もう買い進める予定はなく、現金の使い道がないのなら、すぐにでも繰上返済した方がいいでしょう。

期間短縮型を選ぶか、返済額軽減型を選ぶかは、その時々の状況に応じて、あるいは自分の賃貸経営の方針に応じて決めるべきといえます。
 

>>【無料eBook】「借金は悪である」という既成概念が変わる本

【オススメ記事】
マンション経営はなぜサラリーマンに向いていると言われるのか
マンション経営と他の投資はどう違うの?
金融機関はなぜ、会社員のマンション経営に融資をしたがるのか
不動産投資を自己資金0で始めるときの注意点
少子高齢化社会が不動産の可能性に与える影響

NEXT エコ化時代の賃貸経営、ZEH(ゼッチ)住宅のメリット
PREV 学資保険より老後資金も教育資金もカバーできるマンション経営を!