2019.10.18
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資産運用

老後の生活に影響!?貯金はいつからはじめればいいのか?

(写真=Monster Ztudio/Shutterstock.com)
(写真=Monster Ztudio/Shutterstock.com)
2019年6月に金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書が発表した「年金を除いた老後資金は2,000万円必要」という結果に驚いた人も多かったと思います。

その内容を精査するとともに、いつから貯金をはじめればいいのかについて考えていきましょう。

平均寿命とともに延びていく老後

厚生労働省が発表している「簡易生命表」によると、2018年時点における日本人の平均寿命は、男性が81.25歳、女性が87.32歳となっています。

それぞれ前年より男性0.16年、女性0.05年上回っており、毎年のように平均寿命は伸び続けています。

また諸外国と比較しても高水準で、政府が掲げているような「人生100年時代」に向けた施策の必要性も、現実味を帯びてきていると言えるでしょう。
 
平均寿命の年次推移
※「平成30年簡易生命表の概況」厚生労働省

日本人の長寿化にともない私たちの“老後”も伸びています。かつての60歳定年は65歳へと後退したものの、それでも80歳まで15年、90歳まで25年、100歳までは実に35年の余生があるのです。

しかも2015年推計において、60歳の人が80歳まで生きる割合は78.1%と8割近くとなっています。さらに見ていくと、85歳までが64.9%、90歳が46.4%、95歳が25.3%、100歳が8.8%と試算されています。
 
60歳の人のうち各年齢まで生存する人の割合
※「高齢社会における資産形成・管理」金融審議会市場ワーキング・グループ

ちなみに健康寿命に関しては、男性が約72歳、女性が約75歳とされていて、平均寿命と比較した場合に9~12年の差があるわけです。

つまり、少なくとも9~12年の期間は就労が困難であり、かつ日常生活に何らかの制限が加わる可能性を考慮しておかなければなりません。平均寿命とともに健康寿命も延びている現状は、私たちの老後が確実に長くなっていることを示しています。
 
健康寿命と平均余命の推移
※「高齢社会における資産形成・管理」金融審議会市場ワーキング・グループ

老後生活をふまえた貯金の考え方

老後が延びているということは、それだけ確保するべき生活資金も増えていることを示しています。年金や退職金など、老後の生活資金にまわせる原資もありますが、必ずしもそれだけでは十分とは言えません。

ここであらためて、老後に必要なお金がどのくらいなのかを試算しつつ、年金以外に必要となる支出額を精査し、貯金をスタートするべき時期について検討してみましょう。

老後に必要なお金はいくらか?

総務省「家計調査(2017年)」をもとに作成された「市場ワーキング・グループ(第21回)」の資料によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)のモデルケースでは、実収入が20万9,198円であるのに対し、実支出は26万3,718円(うち消費支出23万5,477円)です。

実収入と実支出の差は月で約5万5,000円。この差額が老後に貯蓄しておかなければならない必要額となります。老後が20年あるとすれば1,320万円、30年だと1,980万円という計算です。

貯金年数から月々の貯金額を割り出す

先ほどの「市場ワーキング・グループ」の資料では、65歳時点における金融資産の平均保有額を夫婦世帯で2,252万円、単身男性1,552万円、単身女性1,506万円と見積もっていますが、住宅ローンの返済などで目減りすることも多く、やはり不足額は貯蓄や投資によってまかなわなければなりません。

例えば2,000万円を貯蓄しようとした場合、月々5万5,000円を30年間貯めると1,980万円です。30年間ということは、35歳のときに貯金をはじめるイメージです。また25年(40歳)で計算すると月6万6,667万円、20年(45歳)では月8万3,333円です。

不測の事態にも備えて

もっとも、こうした資産はあくまでも平均的なパターンを想定したものでしかありません。より安心して老後を迎えるためには、不測の事態も考慮しつつ老後資産を形成しておくべきでしょう。そのためには、貯蓄だけでなく投資を含めた資産形成を検討することが求められます。たとえば35歳から資産形成をはじめた場合、65歳の定年まで30年の期間があります。この期間で月々5万5,000円の貯蓄をすると1,980万円でしたが、同じ金額でも、年利2%で運用することができれば、約2,710万円もの資産を蓄積できる計算となります(再投資・税金は考慮せず)。

無理のない範囲で継続することが大事

「市場ワーキング・グループ」の資料にもあるように、これからは「資産寿命」を延ばしていくための行動が必要です。具体的には貯蓄に加えて、長期・積立・分散投資による資産形成の検討をできるだけ早い段階から行うことです。そのうえで無理のない範囲で継続していきましょう。
 

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