2020.4.27
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資産運用

老後資金確保の新手法、リースバックの仕組みとは

(画像=fizkes/Shutterstock.com)
(画像=fizkes/Shutterstock.com)
老後資金2,000万円問題が、社会的話題になりました。年金収入だけでは、月に5万円以上も生活費が不足するというのです。老後資金作りの選択肢に、リースバックという資金調達方法があります。自宅の不動産価値に応じて資金調達ができるという、その仕組みとは?

老後資金2,000万円問題が社会的話題に

老後資金2,000万円問題が取り沙汰され、将来に不安を感じる人もいるでしょう。老後に2,000万円の生活費が不足する根拠とされているのが、総務省の「家計調査2017年 高齢夫婦無職世帯の家計収支」という統計で、年金などの収入があっても毎月約5万5,000円不足するといいます。仮に老後を30年として計算すると、以下のようになります。

5万5,000円×12ヵ月×30年=1,980万円

夫65歳、妻60歳という夫婦をモデルにしていますが、アルバイトやパートをしたとしても働けるのは10年が限界でしょう。それでも20年分の生活費が不足することになります。

他に方法はないのでしょうか。そこで今注目されているのが、リースバックという仕組みです。

リースバックとは何か

リースバックとは、自宅を売却した後もそこに住み続けることができるという資金調達手法です。リースバック会社がオーナーから自宅を買い取り、売買代金をオーナーに一括で支払います。その後リース会社がその家を元オーナーに貸し付けることで、オーナーは変わらず自宅に住むことができるという仕組みです。住宅ローンが残っている場合でも、買い取ってもらうことができます。

ただし、買取金額よりもローン残高が多い場合は、リースバックを利用することができません。また、買取金額のほうが高かったとしても、ローンの残債を支払って手元に残る資金がわずかであれば老後資金にはならないので、リースバックを利用する意味がないでしょう。

リースバックのメリット

リースバックのメリットは、自宅を売却した後もその家に住み続けられることです。住所変更などの手続きが必要なく、子どもがいる世帯では学区が変わることもありません。引越し代もかからないので、余計なコストがかからないのもメリットです。また、自宅を売却したことを周囲に知られる心配もありません。

さらに、自宅の所有権はリースバック会社に移るため、固定資産税を支払う必要もなくなります。

リースバックのデメリット

リースバックのデメリットは、通常の方法で売却する場合よりも買取金額が安くなる傾向があることです。また、その後リース会社から借りる際のリース料(家賃)は、周辺の家賃相場よりも高くなります。つまり、売る際も借りる際もコスト面で不利になるのです。

売却した自宅を買い戻すこともできますが、その場合は買い取ってもらったときの金額よりも高くなることがあります。

とはいえ、リース会社が直接買い取るため売り出し期間が必要なく、すぐに売却できることはメリットと言えます。長年住んだ自宅を手放すのは残念ですが、引き続き同じ家に住めるので、生活が変わることによるストレスはないでしょう。

リースバックで資金調達する目的には、老後資金のほか、子どもの教育資金、病気の療養費などがあります。また、高金利で借りている住宅ローン以外の借入金を一括返済したり、事業資金として利用したりすることもできます。金利が高いキャッシングローンのような借入金を返済すれば、家計のキャッシュフローは改善するでしょう。

これらのメリットを生かせるリースバックは、不動産を持つ高齢者世帯の有力な選択肢になりそうです。
 

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